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買収契約書(損害賠償)

表明保証条項違反は、損害賠償規定と結びつくことによって、その実効性が担保されます。契約当事者としては、損害賠償請求を受けることを恐れるがために、表明保証条項を遵守しようと努めるからです。また、実際に表明保証条項等の違反が発覚した場合には、損害賠償規定に基づいて賠償請求等を行うことになります。そのため、損害賠償規定がいい加減に規定されていると、いざ賠償請求を行う段階で満足する賠償を受けることができないという事態に陥りかねません。そのため、損害賠償規定については、十分注意を払う必要があります。

【書式例】

第●条(損害賠償)

(1)甲に、「甲による表明及び保証」に定める表明及び保証の違反又はその他本契約の違反があった場合には、乙は甲に対して、譲渡決済日から2年以内に限り、当該違反により被った損害の賠償を請求することができる。ただし、公租公課に関する表明及び保証の違反の場合は、乙は甲に対して、譲渡決済日から5年以内に限り、当該違反により被った損害の賠償を請求することができる。

(2)乙に、「乙による表明及び保証」に定める表明及び保証の違反又はその他本契約の違反があった場合には、甲は乙に対して、譲渡決済日から2年以内に限り、当該違反により被った損害の賠償を請求することができる。

損害賠償規定を設ける場合には、賠償可能期間の制限を設けることが多く見られます。これは、買収以後も対象会社はありとあらゆる事業経営を行っており、新たな法律関係が築かれているところ、何年も前に実施された買収の瑕疵について賠償請求を受けることは酷であるとの判断に基づきます。原則として商取引に関する損害賠償請求権の消滅時効期間は5年ですが(商法522条)、買収契約ではそれよりも短い期間をもって請求可能期間を定めることが一般的です。なお、書式例では、通常の表明保証条項違反については2年間の期間制限、公租公課等に関しては過去に遡って追徴課税されるおそれがあるため5年間の期間制限を設けています。

なお、期間制限とは別に、損害賠償額の上限を定めることも往々にして見られます。買収による損害額は、予想外に高額となるおそれがあるため、そのリスクヘッジのために売主が上限制限を希望することが多いからです。また、損害賠償請求が可能となる最下限を定めることも考えられます。あまりに低額の賠償請求を頻繁に行われると、当事者としてもその対応に余計な手間暇がかかってしまうからです。

損害賠償額の上限と賠償請求が可能となる最下限を定める規定の一例を以下のとおりご紹介します。

【書式例】

(3)各当事者の、本条に基づく損害賠償請求及び本件対価の減額請求は以下の制限に服する。

① 一件の違反につき500万円を下まわる額については損害賠償ないし減額を求めることはできない。
② 甲に、丙に関する表明保証事項に関する違反があった場合の損害賠償と本件減額請求額の合計金額は、本件対価(ただし本件減額請求前のもの)の50パーセントの金額を上限とする。

これ以外にも、損害の発生及び額の立証を容易にするため、具体的な賠償額を定めてしまうことも考えられますが、どのような表明保証条項違反が生じるかは予め把握しにくいため、規定するには特定の事項に限定するなどの工夫が必要になることが考えられます。

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