Skip to content(本文へジャンプ)

  1. HOME
  2. M&Aの知識
  3. 財務DDの基礎知識
  4. 過労死に関する注意点

過労死に関する注意点

過労死とは、業務が原因となって、脳血管疾患、虚血性疾患により死亡することをいい、近年過労死問題がクローズアップされる傾向にあります。

従業員が過労死した場合、行政に過労死として労災保険の申請を行うことに加え、会社に安全配慮義務違反を理由とし損害賠償請求が行われるおそれがあります。会社には、労働者に対する安全配慮義務が存在します。そのため、長時間残業等により過労死のおそれがあることを把握しつつ改善措置を行わなかった場合には、会社が賠償責任を負うことになります。

行政機関による過労死の認定基準は、以下の(1)~(3)に該当する事実の有無によって判断されます(平成13年12月12日基発第1063号)。

  1. (1)発症直前から前日までの間において、発生状態を時間的及び場所的に明確にし得る異常な出来事(以下「異常な出来事」という。)に遭遇したこと。
  2. (2)発症に近接した時期において、特に過重な業務(以下「短期間の過重業務」という。)に就労したこと。
  3. (3)発症前の長期間にわたって、著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務(以下「長期間の過重業務」という。)に就労したこと。

そして、(3)の内、長期間の加重業務については、以下のような事実を踏まえて判断されることとしています。

  1. (1)発症前1か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね45時間を超える時間外労働が認められない場合は、業務と発症との関連性が弱いが、おおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できること
  2. (2)発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できることを踏まえて判断すること
    ここでいう時間外労働時間数は、1週間当たり40時間を超えて労働した時間数である。

この「1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働」という目安が、いわゆる過労死ラインと呼ばれている、過労死と認定される時間外労働の水準となります。そのため、対象会社に1か月あたり80時間を超える時間外労働を恒常的に行っている従業員がいる場合、仮に買収後にその従業員が死亡すると過労死として認定され、会社は莫大な損害賠償請求を受けるおそれがあります。

このような過労死ラインを超えて就業している従業員がいる会社を買収した場合、まずは当該従業員の時間外労働を減少させなければなりません。それとは別に、買収契約を締結する際に、表明保証条項で仮に対象会社が行ってきた長時間労働によって過労死が発生し、損害賠償請求を受けることになったときは、その責任を負うことを保証してもらう必要があります。

このように、過労死ラインを超えた従業員がいる場合には、一定の対処が必要となることに留意しなければなりません。

セミナー情報

2015年08月28日(金)
13:00~17:00
M&Aにおける『知的財産実務』の勘所
2015年08月07日(金)
13:00~17:00
専門家を使いこなすための『M&A』の知識
終了いたしました 2015年03月06日(金)
13:00~17:00
専門家を使いこなすための『M&A』の知識

ページの先頭へ