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契約書のチェックポイント

一般的に契約書のチェックは、法務デュー・デリジェンスにおいて重要な検討事項となります。契約書のチェックは、契約書に記載されている文言から素直に理解すれば足りるものばかりでなく、法律や判例に照らして一定の解釈を行う必要もあります。

例えば、賃貸借契約書を例にとると、契約期間満了後に契約が更新されていなかったとしても、借地借家法により法定更新されており、賃貸借契約は有効に存続していると解釈することもあります。また、継続的取引基本契約書において、契約期限3ヵ月前までに更新拒絶の意思表示を行えば契約の更新はされないと規定されていたとしても、何度も更新が繰り返されていた継続的契約については、解釈上、更新拒絶が否定されることもあり得ます。

このように、契約書の検討については、幅広く法律を熟知していることに加え、仮に裁判になった場合に概ねどのような帰結となるのか想定できなければなりません。そのため、契約書のチェックについては、契約書のチェックを日常的に行い、裁判経験も豊富な弁護士が行う必要があります。

もっとも、法務デュー・デリジェンスにおける契約書チェックは、弁護士が日常的に行っている契約書チェックとは異なっています。日常的な契約書チェックは契約締結前に実施されるのに対し、法務デュー・デリジェンスにおける契約書チェックは契約締結後に実施されます。そのため、たとえ不利な条項であっても既に締結済みである以上、修正依頼等を行うことができないという違いがあります。また、法務デュー・デリジェンスにおける契約書チェックは、一般的に契約書の数が膨大である一方で、時間的限界が存在するという違いもあります。

法務デュー・デリジェンスでは、対象会社が有する全ての契約書が、原則として調査対象となります。対象会社が小規模の会社であれば、契約書の数も100以内に収まり、全ての契約書をチェックすることも可能となります。しかし、ある程度の規模以上の会社となると、取引先もかなりの数となることが想定されます。また、多数の什器備品についてリース契約を締結している場合や、B to Cの取引において多数のエンドユーザーと契約を締結している場合などには、対象会社が抱える契約書の数は、数千や数万を超えることもあります。

このような場合に全ての契約書を検討することは、限られたデュー・デリジェンス手続に相応しくありません。一定の工夫により、時間内に最大限の効果を上げるように対処しなければなりません。

また、対象会社では、様々な種類の契約書を締結していることが通常です。その中で、まずは重要性の高低を付ける作業を行うことになります。たとえば、金融機関との融資契約は、多額の金銭がかかわるものですし、返済計画などの点でも、極めて重要な契約書として位置付けられることになります。また、主要な業務内容にかかわる仕入契約・売買契約については、収益を生み出す根幹となるものですから、その重要性は高いと判断されます。

このように、契約書の種類によって重要性の高低を検討した後、限られた時間内にどの程度の量の契約書をチェックできるのか、逆算していくことになります。その結果、売買契約について50通を確認することは可能と結論づけた場合、金額的重要性の観点から売上高上位50社をピックアップして確認作業に入ることになります。ランダムに50社選択するよりかは、問題があった場合の被害の程度を最小限に留めることができるため、売上高上位50社を選択する方が合理的だからです。

また、エンドユーザーとの契約には一定の雛形や約款を利用しているケースが通常です。その他、対象会社が日常的に契約を締結する主要な取引については、対象会社が用意している雛形を用いていることが多く見られます。このように、雛形を変更せずに用いている場合には、雛形を検討することで、これらの契約書に対するチェックを完成させるということも可能です。もっとも、このような場合であっても、雛形を一部修正した契約書が存在しないか、契約書の閲覧やヒアリングを通じて確認しておく必要があります。

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