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NDA(損害賠償等)

①損害賠償

【書式例】

第●条(損害賠償)
甲又は乙は、本契約に違反したことにより相手方に損害を与えた場合、相手方が被った通常の直接損害を賠償するものとする。

一般的なNDAには、秘密保持義務に違反した場合などには、書式例のように違反により被った損害を賠償するとの規定が設けられていることが通常です。しかし、実際に秘密情報が漏洩してしまった場合などに、このような条項で賠償請求できるかと言われると、極めて疑問が残ります。

損害賠償請求を行う場合には、請求を行う者が、事実と損害の因果関係や損害額の立証を行わなければなりません。しかしながら、秘密情報が漏洩したことにより、いかなる損害を被ったのかということを金額によって算定することは、通常困難を極めます。仮に情報漏洩が起きた後に対象会社の売上高が下がったとしても、それが情報漏洩によって生じたものか否か明らかにすることは通常できません。明らかに情報漏洩を原因として、得意先を失った場合には、その損害額を立証できるかもしれませんが、このようなケースは稀です。

このように、上記のような損害賠償条項が存在していたとしても、当該条項によって賠償請求されるおそれが低いと考えている者にとっては、その心理的抑止力は低いことになります。この対策として、以下のように具体的に損害賠償額をNDAに記載してしまうということが考えられます。

【書式例】

第●条(損害賠償)
本契約に違反したことにより相手方に損害を与えた場合、損害額の立証を要することなく金●●万円を損害金として支払うものとする

このように具体的な金額を記載してしまうと、原則として損害額の立証が不要となります。これを法律用語で「賠償額の予定」と言います(民法420条)。ただ、予定されていた金額があまりに高額であるなどという事情が存在する場合には、その賠償予定額は公序良俗違反(民法90条)などの理由により、無効と判断されることがあります。

とはいえ、情報漏洩の事実が認められた場合、原則として当該金額の賠償請求を受ける可能性がある以上、賠償額の予定がNDAに存在する場合、情報漏洩に関する意識は極めて高まります。一般的にNDAに賠償額の予定が記載されていることは稀ですが、M&Aなどのように極めて重要な情報を開示する場合には、検討してみても良いのではないかと思います。なお、逆に売主側としてみれば、NDAに賠償額の予定が記載されている場合には、極めて重大な秘密保持義務が課されることになります。そのため、売主側としては、賠償額の予額がNDAに定められている場合、この条項を削除するよう努めるべきでしょう。また、削除が不可能なのであれば、義務が課される対象となる「秘密情報」を限定的にするよう交渉すべきでしょう。

②期間

【書式例】

第●条(有効期間)
本契約は、本契約締結日から発効し、●年間、効力を有するものとする。

NDAには秘密保持義務が課される期間が明記されていることが一般的です。デュー・デリジェンスの際に提供する情報は、極めて機密性が高い情報です。そのため、NDAに定められている期間が短い場合には(例えば3ヶ月間など)、ある程度長期間になるよう配慮する必要があります。また、秘密保持義務に関しては、契約期間終了後も効果を存続させた方が安全といえるでしょう。

③破棄・返却

【書式例】

第●条(秘密情報の返還)
本契約が期間満了、解除又は解約により終了した場合若しくは開示者から秘密情報の返還を求められた場合、受領者は当該秘密情報の使用を直ちに中止し、受領した秘密情報(その複写・複製物も含む。)を速やかに開示者に返還するものとする。ただし、返還に代えて破棄処分することを開示者が書面で指示した場合は、受領者は、再利用等を防ぐため厳重なる注意をもって破棄するものとし、その破棄方法について事前に開示者の了解を得るとともに、事後に処分結果を報告するものとする。

デュー・デリジェンスが終了して買収を行わないことが明らかとなった場合や、NDAの有効期間が経過した場合などには、交付していた秘密情報を破棄ないし返却するよう命じる必要があります。そのため、NDAの有効期間が経過した場合や、情報提供者の指示がある場合には、秘密情報を破棄ないし返却させることができる規定を設けておく必要があります。

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