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法務DDの限界(資料内容)

法務デュー・デリジェンスで検討する主要な資料は、契約書となります。契約書を精査することによって、契約内容を把握し、M&Aを実施した際の影響などを把握することが可能となります。しかし、契約書の精査という点につき、法務デュー・デリジェンスには2つの限界が存在します。

1つ目の限界は、契約書という書面が存在していない契約については、法務デュー・デリジェンスの過程において契約の存在が認識されにくいという点です。

法務デュー・デリジェンスは、限られた時間内で実施することになります。そのため、一次的には、開示された書面に対する精査に時間が割かれることになります。そのうえで、資料からは把握できなかった事項などについて、二次的に対象会社に対するインタビューによって補完していくことになります。そのため、書面によって把握されなかった契約についても、関連書類から明らかに存在していると思われる契約については、インタビューの際に契約の存在や内容を把握することが可能となります。

しかし、資料の精査やインタビューにおいて捕捉されなかった口頭契約等については、法務デュー・デリジェンスにおいて把握できないという限界が存在します。「重要な契約について契約書が存在していないなどということは普通ない」と思われるかもしれませんが、業界にもよりますが非上場企業であれば、契約書なしで取引が実施されることは全く不思議なことではありません。また、社長同士の信頼関係に基づいた取引であれば、契約書を作成すること自体が相手に不信感を有しているとも取られかねないため、口頭契約となっていることも多く見られます。

この対策として、財務デュー・デリジェンスメンバーから情報提供を受けるということが考えられます。財務デュー・デリジェンスでは、取引先ごとの補助科目明細などの資料を受け取っていることが一般的です。そのため、契約書が存在する取引先と、補助科目明細に現れる取引先を照らし合わせることによって、現在もなお取引が継続している相手方や、契約書が存在していないにもかかわらず取引がなされている相手方を把握することができます。

2つ目の限界は、契約書の存在により契約を締結したという事実を把握できるものの、その後当該契約がどのように推移しているのか把握できないという点です。

つまり、締結された契約につき、約定通り入出金が行われているのか、契約違反の事実は存在しないのか、そもそも現在も取引が実施されているのかなど、契約締結後の内容については、契約書からは把握できません。

この対策としては、対象会社のインタビューの際に現在の契約の履行状況や契約違反の有無について問い合わせるということが考えられます。ところが、通常、対象会社における契約書の通数は膨大であり、その一つ一つについて履行状況をインタビューによって把握することは現実的ではありません。また、インタビューの回答者も各契約の履行状況まで正確に把握している訳ではありません。そのため、「概ね問題となっている契約はない」などというように、概括的な回答がなされることもしばしば見られます。

もう一つの対策として、財務デュー・デリジェンスメンバーから情報提供を受けるということが考えられます。融資に関する契約であれば、特定の債権者に対して未払が生じていないか、約定通りの返済ができずに利息のみの返済となっていないかなどの情報を財務デュー・デリジェンスメンバーからの情報により」把握することができます。

一般的に、法務デュー・デリジェンスでは契約締結等の一時点の静的状態の把握に優れており、財務デュー・デリジェンスでは日常的な会計数値という動的状態の把握に優れています。そのため、法務デュー・デリジェンスによって把握した情報と、財務デュー・デリジェンスによって把握した情報を緊密に提供し合うことにより、精度の高いデュー・デリジェンスを実現することができるようになります。しかしながら、一般的に、財務デュー・デリジェンスと法務デュー・デリジェンス間の情報提供はほとんどなされていません。そのため、デュー・デリジェンス依頼者が積極的に財務デュー・デリジェンスと法務デュー・デリジェンス間の情報提供の橋渡しを行うことをお勧めします。

セミナー情報

2015年08月28日(金)
13:00~17:00
M&Aにおける『知的財産実務』の勘所
2015年08月07日(金)
13:00~17:00
専門家を使いこなすための『M&A』の知識
終了いたしました 2015年03月06日(金)
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専門家を使いこなすための『M&A』の知識

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