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企業価値評価に関する基礎知識

(1)第三者評価の必要性

最終的に買収対象企業をいくらで買うのか?これは、企業にとって大きな問題です。当然売り手側はなるべく高い金額で買って欲しいわけですから、交渉状況によっては想定以上の金額で買わざるを得ないケースもあるでしょう。しかし、あまりに高い金額で買ってしまうと、会計上多額ののれんが生じてしまいます

のれんとは、簡単に説明すれば買収金額と対象会社の純資産の差額です。たとえば純資産が10億円の会社に対して30億円の対価を支払って買収したとすると、のれんは20億円ということになります。この20億円ののれんは、対象会社の貸借対照表には計上されていない資産価値をプレミアムとして見込んだことを意味しており、買収後に稼ぎ出す収益でしっかり回収していく必要があります。仮に、買収後に思ったようなパフォーマンスを出せずに業績が低迷するようなことがあれば、こういったのれんは減損会計の適用により、損失処理を迫られることになります。

買収後におけるのれんの減損は、場合によっては経営責任に直結する問題です。高い値段であればあるほど、このリスクは大きなものとなりますから、適正な価格で買うということは極めて重要なのです。もちろん、事業がうまくいくかどうかについて絶対はあり得ませんから、時として見込みが外れることもあります。ただ、そういった場合に、責任を追及されるかどうかは、買収の意思決定を行った時点において、十分な検討がなされていたかどうかにかかってきます。

経営者は、こういった状況の中で、株主をはじめとする利害関係者に対して適切に説明責任を果たさなければなりません。そのため、買収金額は、最終的には当事者間の交渉を踏まえた合意に基づいて決定されるわけですが、この金額に一定の第三者性を持たせる必要があるのです。こうして、通常のM&A案件においてはデュー・デリジェンスを踏まえた上で、最終的な企業評価を第三者に依頼し、適正な買収金額をはじき出すというプロセスを経ることになります。

(2)さまざまな評価手法

企業価値を評価する手法には様々なものがあります。まずは極めて一般的な話になりますが、基本的な3つのアプローチについて説明をしておきましょう。

企業価値評価手法には、一般的に①マーケット・アプローチ、②インカム・アプローチ、③コスト・アプローチの3つのアプローチがあるとされています。

マーケット・アプローチは資産の市場性に着目した評価手法で、市場価格そのものが存在する場合のほか、その資産自体の市場価格が存在しない場合でも類似資産の市場価格を参考にして評価額を算出するといった方法も含まれます。具体的には市場株価方式、マルチプル方式といった手法がマーケット・アプローチに属する評価手法として用いられています。

インカム・アプローチは資産の収益性に着目した評価手法で、その資産が将来どのくらいの収益を生み出すのかから引き直して資産の評価額を算出する手法です。DCF方式、収益還元方式、配当還元方式といった評価手法が代表例であり、特徴としては赤字企業の場合であっても、一定の将来収益を見込むことで、かなり高い評価額がついてしまうこともあるといった点です。

コスト・アプローチは資産の費用性に着目した評価手法で、その資産を調達するのにどのくらいかかるのか、また現時点で処分してしまった場合にどのくらいの価値になるのかといった視点で評価額を決定する手法です。時価純資産方式や簿価純資産方式といった方法があります。

これらの評価方法の概要を示したのが以下の図です。このように企業評価の手法には様々なものがありますが、どの評価手法を適用するかはケースバイケースです。ある方法を任意に選んで良いというものではありません。どういった評価手法を用いるべきかは、どういった局面かによって異なることになりますし、買収対象企業が老舗企業なのかベンチャー企業なのかといった企業のステージによっても変わってきます。

図 さまざまな評価手法

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