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税金

①対象会社に係る税務リスク

税金についてまず気にしなければならないのは、対象会社において何らかの形で税務上の取り扱いが否認されることによって、追徴課税を受けてしまうようなリスクについてです。つまり、過年度や調査時点において、脱税や租税回避行為に該当するような行為がないかどうかという観点から、検討を加える必要があります。ただし、このような調査は、深くやろうとするとかなりの工数を要するものであり、一般的な財務デュー・デリジェンスにおいては、そこまでの詳細な調査を行わないケースが大半です。必要がある場合には、あらかじめ依頼をして、税務専門家を財務デュー・デリジェンスチームに組み込むか、財務デュー・デリジェンスとは別建てで税務デュー・デリジェンスという形で切り出すなどの対応が必要になります。

一般的な財務デュー・デリジェンスにおいては、過年度における税務申告書において不審な点はないかどうか、また過去における税務調査の履歴及び調査内容から浮かび上がる税務リスクはないかどうか、といった点を中心にレビューするにとどまるのが通常です。

また、未納の税金が滞留している場合などは、延滞税や延滞金なども含めて負債の計上漏れとなっている場合もあるため、税金の納付書の閲覧などの手続きを通じて、そのような計上漏れの有無を確認するといった手続きも含まれることになります。

②買収スキームに関連する税務リスク

一般的な財務デュー・デリジェンスのメニューには含まれないため、仮に希望する場合には、事前に依頼しておく必要のあるテーマとして、買収スキームに関連する税務リスクがあります。

特に問題となりやすいのは、対象会社が多額の欠損金を有している場合や、買収の実行フェーズの中で、対象会社が負っている債務についての債務免除などが行われる場合です。このような場合、税務上は一連の行為が租税回避行為に該当するのではないかという疑いを持たれてしまうと、非常に厄介です。欠損金を活用して税務メリットを得ようと思っていたとしても、それが叶わずに、キャッシュ・フローの見通しに大きな狂いが生じることにもつながりかねません。したがって、そういったスキームに関連する税務リスクが存在する可能性がある場合には、事前にメニューに組み込んでおいてもらうこともひとつのアイデアといえます。

③税効果会計の検討

これは実際には負債の話というよりは、資産の話が中心になってしまうのですが、税金関係の重要テーマですので説明します。細かい話は割愛しますが、企業会計と法人税では異なる取り扱いをすることがよくあります。たとえば、企業会計では減損処理を行ったとしても、法人税ではそのような損失を認めることで税収が減ってしまっては困りますから、そのような損失は認めないといった具合です。こういった差異は将来のどこかのタイミングで対象資産を処分するなどによって、解消することになるのですが、それまでの間は差異が残ったままの状態となります。この差異に注目して、資産または負債を認識するのが税効果会計という会計ルールです。

簡単にいえば、将来の税務メリット(税金支払額が減少する)につながる差異がある場合には、繰延税金資産という資産を、将来の税務デメリット(税金支払額が増加する)につながる場合には、繰延税金負債という負債をあらかじめ計上しておくというルールです。

これで話が終わりならばいいのですが、厄介なのが資産側については、その価値を厳密に評価しなければならないということです。どういうことかというと、将来、税金支払額が減少するというメリットを資産と考えるわけですから、将来において黒字が見込まれて税金支払額が発生するという見通しが立っていなければ、資産が認められないということです。言い方を変えると、仮に将来において赤字が見込まれていれば、そもそも赤字企業は税金が発生しないわけだから、税金ゼロの状態からさらに税金支払額が減少することはなく、そのような赤字見通しの場合には、そもそも税務メリットなどどこにもないということです。

ですから、将来の見通しが黒字ならば資産価値を認めるが、赤字の場合には資産価値を認めないというのが、繰延税金資産の基本的なルールであり、このルールにしたがって、資産査定を行わなければなりません。

ただ、将来の見通しは非常に不確実性の高い話ですから、甘い見通しに立って過大に資産を見込むことだけはないように気をつけなければならず、この点が一番難しいところなのです。財務デュー・デリジェンスはそもそも、対象会社のリスクを洗い出すというのが基本的な発想ですから、基本的には、こういった資産はできるだけ厳しく見積もっていくことになるというのが、基本的なスタンスであると理解しておきましょう。

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2015年08月28日(金)
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