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有価証券等

①有価証券等の金融商品

企業が保有する有価証券は、会計ルールのもとでは、その保有目的によってどのような評価を行うのかが定められています。しかし、財務デュー・デリジェンスでは、あくまでも実態純資産がどの程度なのかを把握することが目的ですから、仮に会計ルールでは時価評価の必要がないとされている有価証券であったとしても、できる限りは時価で評価をしていくというのが基本的なスタンスになります。

ただし、ひとくちに有価証券の時価評価といっても、どのような有価証券を保有しているかによって話はだいぶ変わってきます。ここでは、大きく3つに分けて説明していきます。

Ⅰ 市場価格またはそれに準じた価格がある有価証券等

もっとも簡単なのはこのケースです。上場企業の株式を保有している場合などは、市場において株価が成立していますから、その株価をもって時価を考えるのが自然ですし、株価については、基準日が数ヶ月前であったとしても、インターネットなどでヒストリカルデータを入手することは容易です。また、上場株式以外でも、たとえば投資信託については基準価格が公表されているものもありますし、社債についても時価情報が公表されている場合があります。

このタイプの有価証券については、そのような形で公表されている時価を用いて評価するのが最も客観的であると考えられますから、基本的には公表されている時価によって評価することになります。

Ⅱ 市場価格はないものの金融機関等が算定した時価がある有価証券等

デリバティブや、デリバティブが組み込まれたような債券(仕組み債)については、上場株式のような市場価格がないことがほとんどです。しかし、その代わりに、それらの金融商品を取り扱っている金融機関が、一定の理論価格算定モデルに基づいて算定した時価情報を提供してくれるのが一般的です。定期的に金融機関から郵送される通知書などに、そういった時価情報が記載されています。

このような時価は、即座にその金額で換金できるということを意味しているわけではありませんが、通常は一定の仮定に基づいて算定された合理的な価額であるといえるため、このタイプの有価証券や金融商品については、そのようにして金融機関から入手した時価を用いて時価評価を行うのです。

Ⅲ 市場価格も算定された時価もない有価証券等

最も取り扱いが難しいのがこのタイプの有価証券です。ここまでに説明したような時価と呼べる情報がなかなか入手しにくいケースです。代表例としては非上場株式を挙げることができます。非上場株式は通常時価がありません。このような場合は仕方がないので、次善の策として、投資先の決算書を入手することができる場合には、入手した決算書の純資産額に持分比率を乗じた金額をもって時価とみなすことになります。たとえば、対象会社がA株式会社に15投資(持分比率10%)をしており、A株式会社の純資産額が100である場合、対象会社が保有するA株式の時価は100×10%=10であると計算され、取得原価15と時価10の差額5は含み損失と考えて、対象会社の実態純資産の算定に織り込むといった具合です。

ちなみに、会計ルールでは含み損失があったとしても、取得原価から50%以上下落していなければ、特に減損処理を行う必要はないのですが、財務デュー・デリジェンスにおいては、できるだけ実態純資産を適切に把握するという観点から、50%以上の下落でない場合でも、時価で評価をすることになります。

また、厳密な話をすれば、このA株式会社の純資産額100というのが、本当に正しいのかという調査をする必要があります。しかし、通常はそこまでの詳細な情報は得られませんから、ある程度割り切って、入手した情報をそのまま使用するのが一般的です。明らかにおかしな点がある場合には、一定の仮定のもとで数値を修正して使用するケースもあります。

このような形で投資先の決算書を入手できる場合はまだよいのですが、中にはそういった情報すら入手することができないケースも多くあります。そのような場合、現時点においても投資先とは連絡がとれているのかどうか、投資先の事業は現在も継続しているのかどうかなどを確かめることで、仮に調査時点では実態の確認が既にとれないような状況になっている場合には、投資金額についてもはや価値はないものと考えて、減損処理を行うことになります。

以上が有価証券等の金融商品の評価方法となりますが、もうひとつ気にしておきたいのが、そういった有価証券等へ投資した理由についてです。本業以外の資産へと投資を行うわけですから、何かしらの理由があるはずです。単純な余剰資金の運用であって即座に換金可能な状態であればいいのですが、たとえばファミリー企業への投資などを行っていて資金の流れが不透明な場合は、有価証券の評価だけではなく、そういった関係などにも注意しなければなりません。

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