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無形固定資産

①ソフトウェア資産

財務デュー・デリジェンスにおいて無形資産の検討にどのくらいの時間を割くことになるかどうかは、ソフトウェア資産の重要性がどの程度であるかによって大きく変わってきます。したがって、一般的には、業種によって変わってくるものであるといえます。たとえばIT企業などの場合、有形固定資産はオフィス機器などの限られたものである一方、ビジネス上のコア資産としてソフトウェア資産の占める割合が極めて重要であるようなケースも少なくないでしょう。

ソフトウェア資産についても減価償却の考え方などは有形固定資産と大きく変わるところはありません。ただし、違うのは目に見えない資産であるがために、資産性があやふやになりやすい点です。自社でソフトウェア開発を行う場合などは、社内で発生した人件費などを集計した上で、資産計上するものであるために、資産計上額が過大になりやすいですし、外部環境として技術的進歩が急速なケースも多く償却期間が終わる前に陳腐化してしまうリスクが高いといった特徴があるなど、ソフトウェア資産ならではの特徴を理解しておく必要があるといえるでしょう。

このような特徴を踏まえた上で、ソフトウェア資産については、その資産性を厳しく評価することが会計ルールにおいては定められています。すなわち、基本的な発想としては収益性が認められる(コスト削減効果という意味での収益性でも可)ソフトウェア以外は、ソフトウェア資産として認めないというものです。これは、最初にソフトウェア資産を計上するときもそうですし、その後もそういった要件を満たし続けているかどうかを継続的に検討していくことと求めているものです。

ですから、財務デュー・デリジェンスにおいても、対象会社が計上しているソフトウェア資産については、このような会計ルールが求める要件を満たしているものなのかどうかを慎重に検討した上で、要件を満たしていないと判断される場合には、資産としては認めずに修正を施すことになります。

②その他の無形資産

ソフトウェア以外の無形資産についても、基本的な発想は大きくは変わりません。日本企業の場合、特別な理由がなければソフトウェア以外の無形資産を多額に計上しているケースはまれです。

典型的なテーマとして話題になるのは電話加入権です。電話加入権は法人税法において、非償却資産とされているため、取得原価でそのまま計上されていますが、現在の環境を踏まえれば、実質的に価値はないものと考えられるため、財務デュー・デリジェンスにおいては一般的に電話加入権については減損処理を行います。計上額が少額のケースにおいては、大した影響はないかもしれませんが、コールセンターを保有している場合など、計上額が多額になるケースでは無視できない影響が生じることもあるため、注意が必要です。

また、これからのM&Aにおいて話題になる可能性が高いのが知的財産をどう取り扱うかです。これまでの議論は貸借対照表にすでに計上されている資産について、本当にそれだけの価値があるのかどうかという見方を中心に説明してきましたが、知的財産の場合は逆のケースが多いのです。つまり、過去に研究開発費などで費用処理してきているため、貸借対照表には資産計上されていないが、特殊な技術やノウハウなどの知的財産が無形資産として一定の価値を有しており、しかもM&Aの対象がそういった知的財産を獲得する目的であるような場合です。このような場合においては、財務デュー・デリジェンス、そして第4章でも説明する企業評価においても、企業価値の中に占める知的財産の価値の割合が非常に大きくなるケースもあり、このような貸借対照表には計上されていない知的財産の価値をどのように考えていくのかが大きなテーマとなります。

セミナー情報

2015年08月28日(金)
13:00~17:00
M&Aにおける『知的財産実務』の勘所
2015年08月07日(金)
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専門家を使いこなすための『M&A』の知識
終了いたしました 2015年03月06日(金)
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専門家を使いこなすための『M&A』の知識

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