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資産・負債に関する基本的な視点

基準日時点における対象会社の実態純資産を把握することは非常に重要です。公認会計士は、様々なアプローチによって、資産及び負債それぞれの項目について検証を行い、その金額が妥当であるかどうか、修正するとした場合にどういった評価をすればよいのかを検討します。

その際、どのような視点から資産・負債の妥当性を検証しているのかについて少し説明をしておきます。

資産について最も大切になってくるのが、「実在性」「評価の妥当性」です。もちろん、ほかにも考慮すべき事項はあるのですが、みなさんが知っておくべき重要なポイントとしては、この2つで十分でしょう。それぞれについて少し説明をしておきます。

実在性は、その資産が本当に実在しているのかどうか、という視点です。一方で、評価の妥当性は、その資産が実在するとして、本当に金額に見合う価値があるのかどうか、ということになります。たとえば売掛金について考えてみます。得意先に対する売掛金がたしかに正当な取引に基づくもので、債権として実在しているかどうかという視点が実在性の視点であり、実在しているとして、きちんと回収できるのかどうかという視点が評価の妥当性の視点です。仮に実在しておらず架空ということになれば大きな問題ですし、実在するとしても相手先が倒産してしまった等の理由により、回収できないとなれば、結局は価値がないということですから、これも問題です。

そういった資産が価値がないものとして、損失処理されていれば特に問題はないのですが、その処理がなされずにそのまま資産として計上されているケースがほとんどなのです。ですから、財務デュー・デリジェンスによって、そういった資産の有無を把握するとともに、適切な資産査定を行うことが必要になるのです。

その一方で、負債についてはどうでしょうか。負債については、「網羅性」が最も大切なポイントとなります。つまり、負債がもれなく貸借対照表に計上されているかどうかということです。この網羅性に関しては、大きく2つの点がポイントになります。

ひとつは引当金です。たとえば従業員に対する退職金制度を有している場合には、将来負担分を見積もって、退職給付引当金という負債を計上する必要がありますが、非上場企業のケースではこういった将来負担分を示す引当金がまったく考慮されていないことが非常に多く、財務デュー・デリジェンスにおいてその十分性を検討しなければなりません。

もうひとつのポイントは簿外債務がないかどうかという点です。本当は債務を背負っているのに、貸借対照表に計上されていないということですが、具体的には債務保証、係争事件、未払労働債務などに注意が必要となります。これらの点についても、後ほど詳しく説明します。

以上のとおり、資産については「実在性」と「評価の妥当性」、負債については「網羅性」という視点を持っておくことが重要です。こういった基本的な視点や財務デュー・デリジェンスのアプローチを知っておくことで、報告書の内容がより適切に理解できるようになると思います。

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