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実際の財務DDと法務DDの連携状況

財務デュー・デリジェンスと法務デュー・デリジェンスが連携することにより、両デュー・デリジェンスプレイヤーのみならず、デュー・デリジェンス依頼者にとっても多大なメリットが生じることになります。しかしながら、実際のデュー・デリジェンスの現場において、財務デュー・デリジェンスメンバーと法務デュー・デリジェンスメンバーが情報交換を行うことは極めて稀であるのが実情です。なぜ、財務デュー・デリジェンスメンバーと法務デュー・デリジェンスメンバーは、積極的に情報交換を行わないのでしょうか。

公認会計士と弁護士は、当然のことながら会計税務と法務というように、専門分野が異なっています。専門分野が異なっているということは、あたかも日本語と外国語のように、異なる言語(専門用語)を用いているかのような状態にあります。

仮に会計税務の専門用語をA言語とし、法務の専門用語をB言語としたとします。専門知識を有しない者でも理解できるようA言語を日本語に変換した財務報告書を読めば、日本人である弁護士も理解することができます。逆に、専門知識を有しない者でも理解できるようB言語を日本語に変換した法務報告書によれば、公認会計士も理解することができます。しかし、弁護士は直接A言語を理解することはできませんし、公認会計士は直接B言語を理解することはできません。とはいえ、両者は世間から「先生」と呼ばれている専門家であり、一般的に高いプライドを有しているため、「えっ、こんなことも知らないの?」というように軽蔑されることを極端に嫌います。つまり、恥をかきたくないため、両専門家はできる限り接触を断とうと努める傾向にあるのです。

このように、両専門家は、情報交換を行い連携するどころか、可能な限り接触を断とうと努めていることが一般的です。もっとも、どうしても必要な情報については、他のデュー・デリジェンスプレイヤーに情報提供を求めることはありますが、「念のために確認する」レベルの質問は極力行わないことが一般的です。

両デュー・デリジェンスプレイヤーがこのようなスタンスであるため、現地調査の際にも財務・法務デュー・デリジェンスプレイヤーが同じ会議室を用いて調査を行うことは、極力避けようとする傾向にあります。他の事務所のしかも分野が異なる専門家と同じ会議室に長時間同席することは、相手の目を気にしながら発言せざるを得ず、非常に息苦しいからです。

そのため、財務デュー・デリジェンスと法務デュー・デリジェンスは、各々別の会議室や別の日程で現地調査を行うことになります。そして、物理的にも両デュー・デリジェンスプレイヤーが情報共有する機会は、制限されることになります。また、各々別の会議室で作業を行っているため、対象会社から開示された資料が一方の会議室で使用されている間、もう一方の会議室ではその資料を利用できないという不都合が生じることになります。

このように、実際のデュー・デリジェンス現場においては、財務デュー・デリジェンスと法務デュー・デリジェンスの連携は必ずしも実施されていないのです。しかしながら、効果的かつ効率的なデュー・デリジェンスを実施するために、財務デュー・デリジェンスメンバーも法務デュー・デリジェンスメンバーも極力連携を図るよう努めるべきです。それが、デュー・デリジェンス依頼者の利益の保護に繋がることになるからです。

セミナー情報

2015年08月28日(金)
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M&Aにおける『知的財産実務』の勘所
2015年08月07日(金)
13:00~17:00
専門家を使いこなすための『M&A』の知識
終了いたしました 2015年03月06日(金)
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専門家を使いこなすための『M&A』の知識

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