Skip to content(本文へジャンプ)

  1. HOME
  2. M&Aの知識
  3. 実際に発見された問題点
  4. 買収後の取引停止

買収後の取引停止

前提知識

M&Aを実施する際には、スタンドアローン・イシューに配慮する必要がある。
スタンドアローン・イシューとは、買収後にグループ企業から離脱し、取引先等が減少してしまうこと。

DD実施前

  • 売主は買収後も現状と同様の収益が見込まれると説明

DD実施後

  • 主要な取引先との契約に支配権が移転した場合に解除されうる条項を発見
  • 売主は買収後に同社と取引を継続することは困難と釈明

対応

  • スタンドアローン・イシューによる収益性減少の影響額を把握
  • 見積もった収益性減少の金額を買収価格に反映させることになった

ワンポイントアドバイス

スタンドアローン・イシューは、買収対象会社の社長の個人的な信頼関係で取引を行っている場合にも生じるため、注意が必要である。

詳細

M&A実施時に考慮しておかねばならない問題として、スタンドアローン・イシューがある。
スタンドアローン・イシューとは、買収などのディール後に買収対象会社がグループ企業から分離することにより、売上高の減少や安価な仕入先が喪失してしまうことなどを意味する。

そのため、事業の継続にとって必要不可欠な原料供給やサービスの提供を従前のグループ企業から受けることができなくなることはないか、十分注意する必要がある。
その他、グループ企業において管理部門を統一していた場合などには、買収後に独自に管理部門を設ける必要が発生するため、別途販管費がかかることを考慮しなければならない。

また、管理に当たって特殊なソフトを導入していた場合には、買収後もそのソフトを利用することができるのかなどにつき、十分確認及び契約書に落とし込んでおく必要がある。
なお、スタンドアローン・イシューは、必ずしもグループ企業間に限った問題ではなく、買収対象会社の社長の個人的な信頼関係で取引を行っている得意先などは、M&Aによって経営者が変更するに伴って、従来までの取引を打ち切ってしまう可能性もある。

以前デューデリジェンスを実施した際に、契約書内にChange of Control条項(株主等が変更した際に契約を解除できる旨を定めた条項)があることを検出した。
当該契約は、会社の売上高の10%を占める主要な取引先であった。
そのため、買収後も当該会社が取引を継続するか否かにつき、買収対象会社の経営者にインタビューを実施したところ、買収後は当該会社と取引を行うことは難しいとの回答が得られた。

そこで、当該会社との取引より得られていた利益分(税効果考慮後)については、企業価値から控除すべきとの主張を行った。
これに対し、買収対象会社の売主から、当該会社と取引が継続されないという事情はM&Aを実施する買主の都合によるものであり、売主の企業価値から控除することは論理的でないとの回答がなされた。

確かに、スタンドアローン・イシューはM&Aによって生じる問題ではあるが、将来の収益性に影響を与える以上、DCF法などで考慮しないことは不合理である。
結局のところ、買収対象会社の売主が折れることとなり、取引停止となる取引先の利益については買収価格に考慮されることになった。

このように、契約書上からChange of Control条項を検出し、スタンドアローン・イシューを買収価格に盛り込むことができる事案もあれば、経営者との人的関係という検出しにくい問題点も多数存在する。
そのため、ビジネスの根幹を支える主要な契約については、M&A実行後も継続するのかにつき、十分注意する必要がある。

  • 全国対応、20名以上の会計士・試験合格者、20名以上の弁護士が対応M&Aを検討している貴社は、今すぐ監査法人アヴァンティア・みらい総合法律事務所へ初回見積・簡易相談無料です。
  • 電話でのお問い合わせはこちらまで 03-5226-5755 窓口 みらい総合法律事務所 受付時間: 平日 9:30~18:00
  • メール・お電話でのお問い合わせはこちらから
  • 「日本経済新聞」に掲載されました

著書

  • 公認会計士と弁護士が教える「専門家を使いこなす」ためのM&Aの知識と実務の勘所
  • 公認会計士と弁護士が教える
    「専門家を使いこなす」ためのM&Aの知識と実務の勘所

ページの先頭へ