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偶発債務

前提知識

ある程度の規模の会社であれば、常時いくつかの紛争を抱えている。
特にBtoCビジネスの場合、訴訟やクレームが存在することが一般的である。

DD実施前

  • 売主は過去も現在も一切の訴訟・紛争は起きていないと説明
  • 提出資料には直ちに紛争の存在を疑わせるものはなかった

DD実施後

  • 過去数年の営業外損・特損の内容を証憑突合し、過去の紛争の和解金を発見
  • その他の紛争の存在も明らかとなった

対応

  • 現在係属中の紛争をデッドライクアイテム(負債類似項目)として認識
  • デッドライクアイテムの分、買収価格が減額される

ワンポイントアドバイス

売主はできる限り高額で会社を売却しようとし、買収価格を下げるおそれのある資料を提出しない傾向にあるため注意が必要である。

詳細

法務デューデリジェンスを実施する際には、必ず現在係属中の訴訟や紛争について資料を閲覧したり、インタビューを行うことになる。

大規模な会社であれば、常時いくつかの訴訟を抱えていることが一般的である。 また、B to C のビジネス形態をとっている会社は、少なからず訴訟や消費者センターに対するクレームなどが散見されるものである。

ところが、「我が社では、これまで訴訟沙汰となったことはないし、現在ももちろん一切の紛争はない」と売主から説明を受けたことがある。
もちろん、全く訴訟や紛争とは無縁に経営を続けている会社もあるのだが、買収対象となっている会社は設立からかなりの年月が経過しており、しかもその業態からすると、全く紛争がないとの説明はにわかに信じがたい状況にあった。

とはいえ、確たる証拠もなしに買収先の会社経営者に疑いをかけることもできない。 買収先の会社経営者は、契約の当事者であり、通常デューデリジェンスが終わった後にM&Aに関する契約を締結することになる。
そのため、不必要に買収先の会社経営者を怒らせるようなことがあれば、M&A自体が破断となるおそれもあるからである。

そこで、紛争が生じたとすれば残る可能性が高い書類を重点的に確認することにした。
しかし、買収先の会社から提出される資料からは、そのような痕跡を見出すことはできなかった。
そのため、視点を変えて過去数年の帳簿から、営業外損と特損の内容を1つ1つ証憑と突合して検討することにした。
その結果、過去の紛争で支払った和解金の存在が明らかとなり、それを皮切りに他の紛争の存在も明らかとなった。

デューデリジェンスの結果明らかとなった過去の紛争の存在を勘案し、現在係属中の紛争をデットライクアイテム(負債と類似する項目)として認識するとともに、その結果は買収金額に反映されることになった。

買収される会社の売主は、できる限り高値で会社を売却しようと考えるものである。
そのため、デューデリジェンスにおいて提出される資料についても、買収価格を下げるおそれのある内容を含むものは、極力提出されない傾向にある。
ところが、具体的な証憑(例えば訴状や内容証明等)が提出されていなくても、決算書の数値にヒントが隠れていることは往々にして見られる。法務デューデリジェンスの視点をもって、財務デューデリジェンスを実施することが功を奏した事案である。

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  • 「日本経済新聞」に掲載されました

著書

  • 公認会計士と弁護士が教える「専門家を使いこなす」ためのM&Aの知識と実務の勘所
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    「専門家を使いこなす」ためのM&Aの知識と実務の勘所

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